古紙再生用脱墨剤「DIシリーズ」

すぐれた特長を有する脱墨剤です。

紙の原料として木材チップが使われます。これに使われる木材は、製材工程においてでる端材、木材として利用できない低質木、製紙原料用として植えられた樹木などが使用されています。木材チップを機械でほぐしたり、化学処理を行ったりすることにより繊維を取り出します。この繊維をパルプと呼び、抄紙されて紙となります。木材チップから紙ができるまでには、多くの薬品やエネルギーを使っています。このように、紙は多くの資源とエネルギーを使って作られていますから、一度利用しただけでごみとして焼却したり、埋め立てたりしてしまうのは資源のむだづかいと言えます。古紙を資源ごみとして回収するのはごみ量の削減にもなり、有益なことと言えます。

さて、日本における紙の回収や再利用は年々増加して、2003年度にはそれぞれ66%を越える回収率と60%以上の利用率を達成しています。紙の原料パルプは、その60%を古紙パルプがしめ、残り40%は輸入材や国産材、輸入パルプが使われています。古紙パルプは今や紙の主要原料となっています。なお、回収された古紙は、およそ45%を段ボールに、25%を新聞紙に、15%を雑誌に利用されています。残り15%は、その他の印刷用紙やトイレットペーパーなどに利用されています。

段ボールなどに利用する古紙は、ごみなどを除いてパルプに戻せば、段ボール用に使用できます。ところで、紙の色が比較的白い印刷用紙や新聞用紙の古紙パルプとして利用するには、紙に印刷されているインキを取り除いて(紙の洗濯・脱墨)、古紙を再生する必要があります。このインキを取り除くために使われる薬剤が脱墨剤です。工業的にはフローテーション法と呼ばれる方法でインキを取り除いています。この方法は、インキをあらかじめ細かな粒子状にして分散させ、気泡の表面に吸着させてパルプとインキを分離することで、効率的に脱墨しています。脱墨されたパルプは、洗浄や必要な場合には漂白して、脱墨パルプとなります。脱墨パルプは木材パルプなどと一緒に、抄紙されることでさまざまな紙として再生されます(再生紙)。また、インキを吸着して排出された泡(リジェクト)は、次の処理のために破泡して液状に戻さなければなりません。すぐれた脱墨剤には、泡立ちがよいだけでなく、泡切れ性のよさも大切なことです。

図1 フローテーションの模式図

花王の界面活性剤の技術を活用した脱墨剤「DI」シリーズは、

  • 繊維からのインキはく離力が大きい。
  • インキ粒子の凝集性にすぐれる。
  • インキの泡への吸着性にすぐれる。
  • リジェクトの泡切れ性にすぐれる。

などといったすぐれた特長を有する高級アルコール誘導体からなる「DI-7250」、「DI-7020」、脂肪酸からなる「DI-265」などの製品があります。花王では、たえず新しい製品の開発に努めており、脱墨に関する実際的な知見も豊富にあります。

なお、花王の代表的な製品には脱墨剤の他に、紙の厚みをださせるための薬剤、嵩高剤「KB-115」、「KB-85」などがあります。この嵩高剤は、

  • 紙の厚みが増す。
  • 紙が軽くなる(パルプの使用量を減らせる)。
  • 紙の白色度や不透明性が向上する。
  • 紙がしなやかになる(ページがめくり易くなる)。

などのすぐれた特長を有しています。

花王の脱墨剤や嵩高剤をはじめとする、各種の製紙用薬剤をぜひご利用いただきたいと思います。

  • ※この記事は、花王ケミカルだより57号(2006年5月)から抜粋したものです。
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