鋳造用湯道管「EGランナー」

加工が容易で廃棄物量も少なく、環境にやさしい鋳物づくりが可能になります。

鋳物の製造については、従来から品質や生産性の向上、作業環境の改善などが行われてきましたが、近年、環境負荷の面から産業廃棄物の低減についての対応が強く求められています。

花王クエーカーでは、これまで鋳造用バインダーとしてフラン樹脂「カオーライトナー」やアルカリフェノール樹脂「カオーステップ」、鋳造用塗型剤「フランクリーン」などの特長ある製品を提供してきました。最近では、環境負荷の低減をめざして、2004年より鋳造用湯道管「EGランナー」を新たに開発・販売しており、多くのユーザーで採用されています。この新製品のすぐれた特長をご紹介します。

鋳造用湯道管「EGランナー」とは

図1 EGランナー(外観と走査電子顕微鏡写真)

従来、熔融金属を鋳型に注入する際には、陶製などの湯道管が一般的に用いられてきました。これらの湯道管は、重くて取り扱いにくく、使用後には残さい物(ガラ)として廃棄し、また、鋳物砂に混入すると鋳物砂再生設備の故障の原因になるなど問題点が多くありました。

「EGランナー」は、花王が開発した新しい紙の成形加工技術(ハイブリッドパルプモールド)を応用して、再生パルプを使用し、耐熱性などの機能をもたせた新しいコンセプトの鋳造用湯道管です(図1)。

「EGランナー」の特長

図2 陶製湯道管との比較

鋳造用湯道管「EGランナー」は、陶製湯道管と比較して

  1. 重量が軽い
  2. 切断・組立て作業が簡単
  3. 廃棄物量が大幅に減少する

などのすぐれた特長を有しています(図2)。

「EGランナー」は、再生パルプと耐熱性材料との複合成形体であり、陶製湯道管に比較してその重さは1/10以下と極めて軽いものです。また、再生パルプを主材としますので、ノコギリなどで容易に切断できます。なお、端部はインロウ(はめこみ)継手になっており、湯道管を簡単に、しっかりと接続・組立てることができます。しかも、管や接続部は、造型時に砂重でつぶれることのないよう、十分な強度を有しています。

「EGランナー」は、再生パルプを使用していますが、耐熱機能にもすぐれています。鋳型に耐火性塗料を塗布する際には、着火乾燥もしくは、200℃近い温度での乾燥工程がありますが、その強度は乾燥によってもほとんど低下しません。また、1500℃前後での熔融金属注入時においても、しっかりとその形状を保持します。注入時には、「EGランナー」中のパルプ成分は炭化しますが、耐熱性材料を適切に配合しているため、熔湯圧に耐える炭化被膜強度を維持するからです。このため、炭素分が鋳物に混入して鋳物品質に悪影響を与えることはありません(写真1)。

熔融金属注入後、残存した炭化被膜は、鋳物砂の再利用時に簡単に崩壊します。残さい物(ガラ)の選別工程が不要となり、砂回収再生設備への負荷も減少します。しかも、陶製湯道管と比較して、その廃棄物重量をおよそ1/16と大幅に減らすことができます(写真2)。

写真1 応用例(解枠後)
写真2 解枠作業により破砕した陶製湯道管

以上のように、「EGランナー」は、紙に耐熱機能をもたせた新しいコンセプトの鋳造用湯道管として、また、環境にやさしい商品としてご愛顧いただいております。今後も高機能で環境に配慮した商品開発に努めてまいりますので、花王クエーカーの鋳造用製品をよろしくお願い申し上げます。

  • ※鋳造用製品については、花王クエーカーのホームページ(http://next.kao.co.jp/quaker/products/index.html)でご覧いただけます。
  • ※この記事は、花王ケミカルだより56号(2005年12月)から抜粋したものです。
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