コンクリート製品用黒ずみ抑制剤「スキッシュ 21B」

亜炭やカーボンによるコンクリート製品表面の黒ずみ発生を抑制する添加剤です。

営業担当が対話形式で、製品をご紹介します。

  • ※現在、営業担当が代わっていることがあります。ご了承ください。

多様な土木・建築用薬剤

—土木・建築の分野で、さまざまな製品を取り扱われておられますね。

野村:ええ。コンクリート用化学混和剤でいえば、二次製品・生コン・グラウト向けの各種製品がありますし、このほかにも離型剤や石こうボード用化学混和剤、アスファルト用薬剤などといった製品があります。

—道路舗装などで使われるアスファルト用薬剤も取り扱っていらっしゃるのですか。

塩井:ええ、アスファルト用乳化剤、排水性舗装や透水性舗装で使われる砂利とアスファルトとのはく離防止剤「グリッパー 4131」などがあります。
高速道路などでは、雨の日には車の走行により、水滴が飛散して霧状になって視界が悪くなり、安全な走行が難しくなります。また、道路脇の住居では、道路とタイヤの摩擦により発生する走行音は、騒音として問題にもなります。空隙を有する排水性舗装では、雨水が道路表面から内部にすばやく排水されるため視界が確保され、表面の気泡により走行音も大いに低減されます。

山中:排水性舗装は、アスファルト中のピッチ分が通常のアスファルトに比べて少なく、このため、降雨やタイヤの摩擦などにより、砂利からピッチがはがれやすくなります。砂利とピッチの接着性を向上して、はがれを防止するのがはく離防止剤「グリッパー4131」です。

—さて、コンクリート用化学混和剤分野で、二次製品といいますと工場でつくられるコンクリート製品ですね。

峯下:そうです。鉄道の枕木や電柱、コンクリート杭、ヒューム管、建物の外壁パネル(カーテンウォール)、擁壁や護岸用のブロックなど、さまざまな製品があります。
なお、ヒューム管などの管状のものは、鉄筋を筒状になった鋼鉄製の型枠に取り付け、型枠の内部にコンクリートを入れます。続いて、専用の台に載せて回転させ、遠心力を利用して型枠内面に均一な厚さのコンクリート管を成形します。型枠内部にたまった余分な水分(ノロという)を出した後、蒸気で65℃に加熱(蒸気養生)し、数時間で一定の強度まで硬化させるのです。

塩井:コンクリート製品は、およそ1ヶ月間屋外に置かれた後、下水道工事などの工事現場に出荷されます。なお、大きなものになると人が立って入れるようなものも作られています。身の回りで良く目にするものは、電柱や道路の側溝、U字溝、コンクリート製枕木などですね。

—さまざまな製品があるのですね。最近、いわゆる産業廃棄物がコンクリート製品の原料の一部として使われているのですか。

山中:ええ、使われているのです。たとえば、石炭を使う火力発電所では、集塵機で集められた非常に細かい燃えかす(フライアッシュ)が多量に発生しますが、このフライアッシュをコンクリート製品用原料の微粉として使用されています。フライアッシュを多量に加えますと、燃え残りのカーボン(すす)が含まれているため、コンクリートの表面が黒ずんでしまします。これは、カーボンが水になじみにくい性質(親油性)を持ち、コンクリートの表面に集まりやすいためです。この黒ずみはこすれば落ち、コンクリート表面にカーボンが付着しているような状態といえます。

峯下:コンクリート製品の製造時には、型枠がきれいに剥がれるよう離型剤を使いますが、水性の離型剤を使いますと、表面の黒ずみは一層ひどくなります。フライアッシュの中のカーボンが、離型剤の表面に集まってくるためです。

—リサイクルを促進するためには、フライアッシュをできるだけ多く使いたいのでしょうね。

塩井:その通りです。そこで、カーボンをコンクリート内部に分散させてやれば、コンクリート表面の黒ずみは抑えられると考え、黒ずみ抑制剤「スキッシュ 21B」を開発しました。

—それでは、コンクリート製品用黒ずみ抑制剤「スキッシュ 21B」はどのような特長をもつ製品ですか。

「スキッシュ21B」の特長

山中:「スキッシュ21B」の性状を表1に示しましたが、アルカリ性の黄褐色透明液体です。粉体に含まれるカーボンの量にもよりますが、粉体に対して0.05%以上添加しますと黒ずみは抑制できます。「スキッシュ21B」の特長は以下のとおりです。

  • セメント、シリカヒューム、フライアッシュ、頁岩砕石・砕砂など亜炭やカーボンを含むコンクリート材料の黒ずみを抑制できます。
  • 添加によるコンクリートの品質に影響はありません。

なお、頁岩は亜炭を含む岩石で、西日本に広く分布しており、骨材事情の悪化に伴って混和材として利用されるようになっています。

[表1 「スキッシュ 21B」の性状]
項目 物性値、性状
外観 黄褐色透明液体
密度(20℃/4℃) 1.00~1.20
pH 10.0~12.0
荷姿 18kg石油缶

峯下:「スキッシュ21B」は、混練水に投入して使用します。「スキッシュ 21B」を使用しますと空気量が増加する場合がありますが、消泡剤と組み合わせることで、一定の空気量に設定できます。
フライアッシュを100kg/m³使用した例で、コンクリート充填における振動直後の上面と硬化(蒸気養生後)したものの側面を写真1に示します。振動直後の上面、および硬化後の側面ともに、「スキッシュ 21B」を使用することで黒ずみが抑制されているのがおわかりになると思います。

[図2 「スキッシュ 21B」の使用例]
未使用 スキッシュ 21B
上面(振動直後)
側面(蒸気養生後)

—おっしゃるとおりですね。

山中:私どもでは、土木・建築用薬剤の分野で総合的な展開をはかっていますので、なんなりとご相談をお寄せいただきたいと思います。

  • ※この記事は、花王ケミカルだより54号(2004年11月)から抜粋したものです。
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