花王は、半世紀以上前から界面制御技術を農業分野へと展開してきました。
特に機能性展着剤の分野において、国内シェアNo.1のリーディングカンパニーとして
農業分野に貢献しています。
花王のコア技術
濡れにくいものを濡らす、
花王の界面制御技術
植物、虫、菌の表面の多くは水を弾く“疎水性”です。そのため、農薬を水に溶かして散布する「農薬散布」では、薬液が狙いどおりに対象に付着せず、期待される効果が発揮できないことがあります。この課題を解決できるのが、展着剤です。
一般的に、展着剤製品は、液体と空気の間に働く「表面張力」を下げることで両者の親和性を高め、濡れ拡がる性質(=濡れ性)を向上させています。
花王の機能性展着剤は、「表面張力」だけでなく、液体と植物、もしくは液体と虫体・菌体との間に作用する「界面張力」も同時に下げることができます。「水と空気」「水と作物」の親和性を両方同時に高めることで、従来の展着剤をさらに上回る濡れ性能が発現、疎水性の高い葉や虫体などの表面でも薬液の効果を最大限発揮できるようになりました。
機能性展着剤添加による濡れ性比較
花王の機能性展着剤添加により、「濡れ性向上」を実現
コア技術である「濡れ性向上技術」は、作物の葉の上以外でも活躍しています。
優れた濡れ性は、表面だけでなく、虫や菌、さらには葉の内部に対しても濡れ広がる効果(=浸透効果)があるため、農薬の本来の力を引き出し、効果を安定化させます。
濡れによる虫への被覆
花王の機能性展着剤添加により、害虫を逃さず被覆
濡れによる菌への浸透
病原菌体への蛍光色素浸透試験
花王の機能性展着剤添加にて染色部分(=浸透部分)が増えている
→花王の機能性展着剤が浸透を促進
濡れによる葉内部への浸透
高い濡れ性によって、葉の表面のワックス層の
わずかな隙間を通って浸透
液滴の挙動を最初から最後まで
コントロール
農作業の労働力不足解消につながる手段として注目されている、スマート農業の代表例「ドローン農薬散布」。しかしそのドローン散布にもいくつかの課題があり、導入の足かせになっています。花王は、その普及を後押しするべく、ドローン散布の課題解決のための技術を研究・開発しています。
「ドローン農薬散布」は高いところから細かい霧状の薬液を散布するため、薬液が作物に到達するまでの間に大部分の液滴が蒸発・乾燥してしまいます。また、小さな液滴は風に飛ばされやすく、散布対象以外の作物や植物に農薬が飛散してしまう、いわゆる「ドリフト被害」のリスクもあります。こうした蒸発・乾燥、さらにドリフトが原因で、薬液が農作物にごくわずかしか届かず、充分な効果を発揮できない…というのがドローン散布の課題でした。
花王は落下中の液滴の蒸発を抑制することで、散布液のドリフトを抑えることに着目。独自の界面制御技術を利用し、農薬を作物まで着実に到達させる「蒸発抑制技術」を確立しました。
充分な薬液量を作物まで届け、農薬を均一に付着させることが可能
花王の機能性展着剤添加により、液滴の蒸発抑制を確認
花王の機能性展着剤添加により、ドリフト抑制を確認
展着剤についてのサンプルのご要望やご相談は、下記のフォームからお願いします。