2025年11月5日
降雨後の土壌の泥濘(ぬかるみ)を抑制し、グラウンドの早期開放を実現
花王株式会社は、土壌の泥濘(ぬかるみ)や砂塵飛散を抑制する環境配慮型バイオマス由来の土壌改良材「ルナバインド H-100」を開発し、上市いたします。
「ルナバインド H-100」は、スポーツ施設施工の業界シェアNo.1を誇る長谷川体育施設株式会社と、農業分野から土壌の団粒化技術を培ってきた花王株式会社が協力して開発したバイオマス由来の土壌改良材で、クレイ舗装の土壌と混合することで、土壌の団粒化を促進・維持させ、クレイ舗装の泥濘や砂塵飛散を抑制し、グラウンドの早期開放に貢献します。
<未施工の土壌>
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降雨翌日、土壌が泥濘
<ルナバインド H-100を使用した土壌>
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降雨翌日、土壌の泥濘を抑制
学校のグラウンドや公園等では、クレイ舗装が多く導入されています。
しかし、異常気象等の影響で土壌の品質劣化が進むと、降雨後に排水が進まず、泥濘(ぬかるみ)が発生します。
泥濘は、施設利用までの長期化や施設整備負担の増加だけでなく、転倒等による怪我のリスクが懸念されます。
また、乾燥後の土壌表面では小さな土粒子が発生しやすく、風で飛散することで、周辺住民の健康や環境に悪影響を与える可能性があるため、クレイ舗装では持続的な性能改良が求められています。
このような状況を受け、花王株式会社は、クレイ舗装の土壌を団粒化し維持することで、持続的な土壌の泥濘や砂塵飛散の抑制を目指し、長谷川体育施設株式会社と開発に取り組みました。
土壌が団粒化していない単粒構造のクレイ舗装は、細かい土粒子が密に集まり、土粒子間の空隙が小さくなるため、雨水が透水しづらくなります。その結果、クレイ舗装の雨水の排水が進まず、土壌が泥濘します。
「ルナバインド H-100」を使用すると、土粒子が団粒化し土粒子間に大きな空隙が生まれ、雨水が透水しやすくなり、土壌の泥濘を抑制します。


乾燥したクレイ舗装は、表層の細かい土粒子が風で舞い上がり、周辺住民の健康や環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
「ルナバインド H-100」を使用し、土粒子が団粒化することで、土粒子が大きくまとまり重くなります。その結果、風で土粒子が舞い上がりにくくなり、砂塵飛散の抑制が期待されます。また、「ルナバインド H-100」は粒状の土壌改良材のため、グラウンドに散布時の飛散も抑制できます。
「ルナバインド H-100」は、土壌の泥濘や砂塵飛散を抑制することで、梅雨やゲリラ豪雨といった雨が多い時期でのグラウンドの使用率の向上や、砂塵飛散による周辺住民の健康や環境への悪影響の低減が期待されます。
長谷川体育施設株式会社は、「ルナバインド H-100」を使用したクレイ舗装を「ルナクレイ工法」として、全国で展開予定です。
さらに、花王株式会社は、団粒化による土壌改良技術を応用し、グラウンドだけでなく、緑化や治水、グリーンインフラ等の用途への展開も視野に入れ、今後も取り組んでいく予定です。