ルナジェット®は花王独自の「顔料ナノ分散技術」「界面制御技術」「ポリマー設計技術」「ポリマーコーティング技術」を駆使し開発された水性インクジェット用顔料インクです。
顔料ナノ分散技術
顔料ナノ分散技術
水性インクジェット用顔料インク ルナジェット®
ルナジェット®開発の経緯
インクジェットインクに使用する顔料は非常に細かく、その細かさ故、顔料は互いに強い力で凝集しています。この凝集を解しインクの中で顔料を安定化させるため、各社いろいろな方法でインク処方を確立していますが、花王は不可逆吸着であるカプセル型に着目し、顔料分散体開発を行ってきました。そのうえで 花王水性顔料インクは5つの技術から成り立っています。
親水的環境下では、電荷反発基により高い安定性を維持し、疎水的環境下では、電荷反発基が有効に働かないため、立体反発基により高い安定性を維持することが可能です。
さらに、顔料表面を高分子で被覆、これらを駆使することで高分子に組み込んだ分散安定基、電荷反発基と立体反発基が外側に向いたカプセル型顔料分散体をデザインしています。
花王は、独自に電荷反発基/立体反発基を導入した分散ポリマーを開発、その分散ポリマーで顔料表面を被覆することで顔料をナノレベルで分散、親水的環境下/疎水的環境下で高い安定性を持つカプセル型顔料分散体を開発しました。(顔料分散体の大きさは、50から120ナノメーター)
この技術により、顔料の凝集を抑制し、インク中に顔料を安定分散させることが可能となりました。また長時間の印刷でも安定したインク吐出が実現でき、更にメディア上で顔料が均一に分散することから安定した高画質を得ることができるようになりました。
その結果、これまで水性インクでは高品質な印刷が難しかった、軟包装用フィルムへの環境負荷を低減した水性インクジェット用顔料インクの開発に成功しました。
ルナジェット®の特長
花王独自のポリマーにより、前処理なしで浸透性や接触角が異なる基材対応が可能です。
インク表面が平滑である為、高い擦過性を得る事が出来ます。
ルナジェット®は揮発性有機化合物(VOC)をほとんど排出しないため、印刷工程で排出されるVOC量を抑制し、印刷作業環境を改善します。
独自の顔料ナノ分散技術を応用することで高画質な印刷を実現し、印刷後に、においが残らないことから食品パッケージ印刷への利用も可能です。
ルナジェット®の適用表
インク種類 | 吐出方式 | 対象基材/特長 | |||
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サーマル | ピエゾ | コンティニュアス | |||
水性顔料 | ◎ | ◎ | 吸収性基材 | 速乾性、耐水性、擦過性 基材例:段ボール、上質紙、IJ専用紙等 |
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低吸収性基材 | 速乾性、耐水性、基材密着性、擦過性 基材例:コート紙、マット紙、キャスト紙等 |
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非吸収性基材 | 耐水性、耐アルコール性、基材密着性、擦過性 基材例:合成紙、PP、PET、PVC、アルミ等 |
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