(株)ブリヂストンの基盤技術と花王の界面制御技術で、低燃費性能とウェットグリップ性能を高次元で両立させた“CO2削減”に貢献する「花王の新シリカ分散性向上剤」
タイヤ用のゴムは、天然ゴムや合成ゴムからなるポリマーと充填剤などが複雑に混ざり合うことで構成されています。充填剤として、従来は強度を持たせるために「カーボンブラック」と呼ばれる黒い粉体を使っていましたが、近年の省エネルギー・安全性に対するニーズの高まりから、低燃費性能やウェットグリップ性能を向上させる効果を持つ「シリカ」と呼ばれる白い粉体が併用されるようになり、多くの低燃費タイヤに配合されています。
水に近い性質を持つシリカと、油に近い性質を持つゴムでは親和性(なじみやすさ)が低いことから、ゴムに加えるシリカ量には一定の制限がありました。また単にシリカを多量に使用しても、十分にゴムと混ざり合っていなければ、ゴム中のシリカ同士が擦れ合うことで摩擦熱を生じ、駆動エネルギーが散逸してしまうという問題がありました。
花王は、(株)ブリヂストンが持つ「ナノプロ・テック」と花王が持つ「界面制御技術」という両社の強みを融合することで、ゴムとシリカの親和性を飛躍的に高め、ゴム内にシリカをより均一に配合・分散させる「新シリカ分散性向上剤」を開発しました。これにより、従来よりも多量のシリカを配合することが可能となり、タイヤの低燃費性能とウェットグリップ性能を高次元で両立することができました。また「新シリカ分散性向上剤」は100%植物原料由来であり、サステナブルな社会の実現に向けた活動にも寄与しています。
サステナブルな社会の実現に貢献するために、資源の循環利用や再生可能資源の利用拡大に寄与する技術・ビジネスモデルの開発を推進することが重要な課題となっています。
花王はこれからもお客様と、ビジネスパートナーと、そして社会と“いっしょにeco”をスローガンに、サステナブルな社会の実現を目指します。