Global Chemicals Japan


(事例)複写機・プリンターに使用するトナー


従来よりも低い温度でトナーを紙に定着させ“電力消費削減に貢献”する「花王の低温定着トナー」

オフィスで使用されているコピー機やレーザープリンターには、大きさが1mmの1/100程度の微粒子の粉体インクであるトナーが使用されています。トナーは、トナーバインダーと呼ばれる樹脂に、色材、離型剤が分散されており、熱を加えることにより、トナーバインダーが溶けて紙に定着され、コピー画像となります。

オフィスでのエコ印刷に貢献

コピー機が使用する電力の半分以上が、トナーを溶かすための熱エネルギーに消費されています。コピー機やプリンターの環境負荷低減には、より低温で定着可能なトナーバインダーの開発が重要となっています。こうしたニーズに対して開発されたのが、花王の結晶性ポリエステル樹脂トナーバインダーです。花王の結晶性ポリエステル樹脂を使用したトナーは、従来のトナーに比べ、30℃以上低い温度で溶かすことが可能で、紙との定着性に優れ、印刷の高速化と省エネルギーの両立を実現しました。

さらに花王は、界面化学の技術を応用してトナーバインダーの基本特性として重要な色材、離型剤を高分散化できるポリエステルを設計し、高い発色性と十分な耐久性を有するトナーを実現することにより、長期間にわたり安定した高精細な印刷が可能となりました。今までにない、高機能で環境に優しい特性をもつ製品を開発し、環境負荷低減に貢献しています。

オフィスでのエコ印刷に貢献

さらなる低温定着でCO2削減に貢献

地球温暖化対策として、コピー機の省エネルギー対応は、今後も重要な課題となっており、これまで以上のトナーの低温定着化が望まれています。そのため花王では、さらなる低温定着設計として、低温で溶融する柔らかいコアを、保存性・耐久性を確保する薄膜のシェルで覆うカプセル構造をもった新しいトナーの開発に取り組んでいます。また花王では、もう一段上のCO2排出量削減に向け、リサイクルプラスティックを原料としてトナーバインダーに再利用する開発についても検討を行なっています。

花王はこれからも、人・社会・地球環境に優しいサステナブルなトナーおよびトナーバインダーの提供を目指してまいります。

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