Global Chemicals Japan


(事例)鋼板の圧延時に付着する油を落とすために使用する洗浄剤・リンス剤


従来より、低い温度の温水で油を落し鋼板生産時の“エネルギー消費削減”に貢献する「花王の鋼板用洗浄剤とリンス剤」

鋼板の製造には製鉄、製鋼から始まり熱間圧延工程、冷間圧延工程および表面処理工程を経て製造されますが、冷間圧延工程で鋼板の表面に付着した圧延油や鋼板を薄く引き延ばしたときに発生する微細な鉄粉を除去する必要があります。洗浄工程・リンス工程では、時間短縮のため水の温度を上げるので、多くのエネルギーを消費します。

鉄鋼産業でのCO2削減に貢献

冷延鋼板用洗浄剤は圧延工程後の冷延鋼板の表面に付着した圧延油や鋼板を薄く引き延ばしたときに発生する微細な鉄粉を除去するものです。これらの洗浄工程では連続化、高速化が進み、洗浄工程からリンス・乾燥工程に要する時間は極めて短く、短時間で高い洗浄性能を得るために洗浄剤を80℃以上の高温に加温して付着している圧延油の流動性を上げて、汚れの剥離や分解を促進して洗浄しています。また、リンス水はリンス後の鋼板表面を短時間で乾燥させるために、通常70℃以上に加温して用いられています。洗浄剤、リンス水を加熱するには熱源として多量の石炭や石油などの天然資源を燃焼させるためCO2が大量に発生することが課題となっています。

花王は、40℃の温度で80℃以上の洗浄と同様に洗浄できる洗浄剤を開発し、不良の発生を防ぐと共に、生産性の向上に大きく貢献しています。また、鋼板表面に付着する水量を70℃でのリンス工程と同様にコントロールする低温リンス剤も開発しており、熱源として必要な燃料のエネルギー消費の削減に貢献しています。

オフィスでのエコ印刷に貢献

低温でも洗浄が可能な製品開発で貢献

鉄鋼は建築構造物、乗り物、機械、容器、日用品など多くの製品に素材として使用される、私たちの生活になくてはならないものです。しかしながら製造する過程では、多くのエネルギーを必要とし、多量のCO2を排出しています。
花王はコア技術である界面化学を駆使して、低温でも圧延油に馴染みやすく、素早く浸透する高品質で環境に優しい鉄鋼製品づくりのお役に立てる製品開発を進め、低炭素社会の実現を目指してまいります。

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