優れた濡れ性能で農薬の使用量を減らし、食の安全・安心に貢献する「花王の機能性展着剤」
農作物の安定した収量を確保するためには、病害虫や雑草から作物を保護する農薬は欠かせません。
しかしながら、農薬を散布しても葉や害虫に付着せず大半が流れ落ちたり、同じ農薬を使用し続けたために病害虫や雑草の農薬に対する抵抗性が発達し、安定的に農薬の効果を発揮することが困難となります。また、農薬による健康や環境への影響を心配する声も出ています。
作物の病害・虫害防除、雑草駆除には農薬を水で希釈し作物や雑草に散布しますが、農薬を散布しても葉や害虫に付着せず、大半が流れ落ちてしまいます。植物体や虫体表面はワックス様の疎水性物質や毛じ(糸状の物質)で覆われているため、農薬が濡れ広がらずに液的状態で垂れ落ちてしまい、農薬の安定した効果が期待できません。
花王は、早くから機能性展着剤に着目し、長年築き上げてきた植物界面の精密制御技術を応用し、表面張力だけでなく、水と植物界面、虫体および菌体界面に働く力(界面張力)にも着目し、表面張力と界面張力の2つの力を最小限にすることにより、濡れにくい表面でも自発的に濡れ広がる高い濡れ性能を有し、人畜・環境に安全性の高い展着剤を開発し、農薬の使用量低減と食の安全・安心、環境保全に貢献しています。
機能性展着剤『ドライバー』の性能紹介
キャベツ葉濡れ性
動画提供元:丸和バイオケミカル株式会社
ネギ隙間浸透性
日本の農業は、農業就業人口の減少と高齢化に伴う労働力不足が問題となっていますが、展着剤により農薬の散布量の減量、散布回数の低減され、農作業が省力化されることで、農業界の労働力不足解消に貢献できると考えています。花王はこれからも日本の農業に限らず、世界の農業にも通用する製品を開発し続け、安全安心な食糧増産に貢献してまいります。