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(事例)アスファルト舗装工事に使用するアスファルト用改質剤


社会問題の1つ廃棄PETをアスファルト舗装の資源として再利用し、さらなる耐久性も付与することで環境保全に貢献する「花王のアスファルト用改質剤」

アスファルト舗装は用途により排水性舗装・透水性舗装・半たわみ舗装(アスファルト舗装のたわみ性とコンクリート舗装の剛性を合わせたもの)や改質アスファルト舗装など、さまざまなタイプがあります。アスファルト舗装は道路や駐車場の舗装に多く利用されていますが、荷重や経年劣化によってくぼみが発生するなど、耐久性に課題があります。

廃PETを原料にしたアスファルト用改質剤

アスファルト舗装は、骨材(砕石、砂利)、砂、石粉などを適切な粒度分布になるように混合し、それをアスファルトで固めてできています。このようにしてできた道路舗装は、路体、路床、下層路盤、上層路盤、基層、表層といった多層で形成されています。わだち(道路の凹み)や剥がれが起きない高耐久の舗装には、路体から上層路盤の支持力とその上に施工される基層、表層の強靭な構造が重要と言えます。
 
花王はこれまでも耐久性向上を目的としたアスファルト用改質剤を開発・販売してきましたが、花王が推し進める“ポジティブリサイクル(再利用により新事業を創造する)”の取り組みとして、耐久性を維持しつつ、廃棄されるPET素材(廃PET)を原料としたアスファルト用改質剤を開発しました。廃PETをただ砕いて使用するのではなく、独自技術により他物質と化学反応させることで機能性を有した新たな物質として生まれ変わらせている点が特徴です。このアスファルト用改質剤を使用したアスファルト舗装は、100m2あたり500mlペットボトル最大約1,430本分を再利用することが可能になります。さらに従来のアスファルト舗装と比較してより黒みを帯びることから、ドライバーによる白線の視認性が向上し、安全走行へ大きく寄与すると考えられます。また店舗の駐車場舗装に利用することで、店舗の美観を引き立てると共にいつまでも新しい店舗の印象を付与することが可能となります。

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アスファルト混合物

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回収PETを単に配合したアスファルト

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舗装体が崩壊

ニュートラック配合

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ほぼ崩壊無し

ヒトと環境にやさしいアスファルト舗装で持続的社会の実現に貢献

近い将来予測されている全自動運転時代では車輪が同じところを通るため、アスファルト舗装の劣化速度が早まると考えられ、今以上に道路の高耐久性が求められます。
花王は、今後この技術をグローバルに展開していくと共に、ヒトへの安心・安全の提供と豊かな持続的社会の実現に向けた取り組みに貢献してまいります。

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