(事例)水辺やトンネル・地下などの工事に使用する、コンクリート用増粘剤

水中、河川近隣で行われる工事や地下水脈の付近で行う工事では、コンクリートが水中に飛散したり流されたりしないように水質汚濁を防ぐ必要があります。このような水に関わる環境下では、コンクリートに増粘剤を添加して、水中不分離性を付与することが一般的です。一般には、水に溶けるセルロース系高分子などが使用されますが、高い粘性による作業性の悪化やポンプ圧送性の低下、コンクリートの硬化遅延、ミキサー車の洗浄時間の増加、そして産業廃棄物の増加などがありました。

また、山岳トンネル工法ではコンクリートを吹付けながらトンネルを構築しますが、吹付けたコンクリートを急速に固めるために「粉体急結剤」が多く併用されています。「粉体急結剤」は、強度の発現性に優れている反⾯、粉じんが飛散しやすく、粉じん対策が課題となっていました。
 
花王は、界面活性剤を主成分とするコンクリート用増粘剤を開発しました。この界面活性剤型増粘剤は、増粘しても高い流動性を保持するため、優れた作業性を保ちながら、水辺工事における水質汚濁を防止できるとともに作業後の設備洗浄も容易なため、洗浄水低減による産業廃棄物の削減にも貢献しています。
さらに、砂礫地盤における地盤の崩落防止・材料流出防止など、難工事が想定されるシーンでも、安心・安全・確実に工事を実現できます。作業後の設備洗浄も容易なため、洗浄水低減による産業廃棄物の削減にも貢献しています。
 
また、トンネルの吹付コンクリート工事においては、コンクリートの粘弾性と急結性を両立させることで、吹き付け工事でのコンクリートの飛散を大幅に少なくし、粉じんの発生を抑制することで作業環境の改善に大きく貢献しています。