リスク評価は、国内外の化学物質規制(化審法、欧州REACH等)やSCCS*等において用いられている手法を参考にして、最新の国際動向を踏まえながら、科学的根拠に基づいたリスク評価手法にて行います。
*SCCS: 欧州の消費者安全性に関する科学委員会
リスク評価に使用する安全性情報としては、自社保有データの他に、国際的に信頼できるリスク評価文書、学術論文、公的機関のデータベース等に記載された情報があり、これらを有効活用します。リスク評価に必要な安全性データが不足する場合には安全性データの取得を行います。また、in silico評価技術(定量的構造活性相関、カテゴリカルアプローチ等)などの新しい手法により得られた安全性情報を、信頼性が確認された範囲内で積極的に評価に活用します。
リスク評価に活用する安全性情報は、OECD試験法ガイドライン*など国内外で認められた試験法ガイドラインへの準拠の有無、採用した試験条件、対象物質の物理化学的性状、結果の再現性、用量-反応関係等を踏まえてその信頼性を総合的に検討し、科学的に信頼できる情報を採用します。
*http://www.oecd.org/chemicalsafety/testing/oecdguidelinesforthetestingofchemicals.htm
類似の毒性プロファイル(物理化学的性状および毒性学的性質に規則性が認められる等)を有する複数の化学物質は、それらを一つのカテゴリーとしてまとめてリスク評価を行います。これにより、重複するデータの取得を避け、効率的なリスク評価に繋げます。
リスク評価は、利用可能な情報の質と量に応じて段階的に進めます。既にある安全性情報によるリスク評価においてリスクが許容できるレベルにある場合、新たなデータの取得による追加評価は原則として行いません。