Global Chemicals Japan

樹脂剥離・溶解洗浄剤

環境・法規制・作業安全性に配慮した樹脂除去技術

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半導体や精密部品の製造工程においてはありとあらゆる工程で樹脂・ポリマーが使用されています。最終製品の高度化に伴い、使用される樹脂の種類は多様化しており、いわゆるエンジニアリングプラスチックと呼ばれる樹脂も多く使用されています。これらの樹脂の内の一部は製造工程において意図せずとも製品自体や装置・金型等に付着してしまうケースが存在します。
 
樹脂・ポリマーの多くは強固な架橋構造から構成され、容易に溶解しないものも多いです。そのため、除去したい場合には非常に溶解力の高い溶剤や強酸・強アルカリといった薬剤が使用されているケースが多々あります。
塩化メチレンやその他のハロゲン系溶剤、N-メチルピロリドン(NMP)等に代表される溶解力の高い溶剤は、安全性に懸念があるものが多く、また溶剤によっては揮発性・引火性が強く作業安全性・環境影響の観点等に課題があります。
一方で濃硫酸に代表されるような高濃度の酸・アルカリでは揮発性・引火性はないものの、多くが劇物に該当し法令対応が必要となる事に加え、高温で処理が必要なケースも多く作業安全性の観点の課題は同様に挙げらます。
更には、いずれのケースにおいても強力な薬剤を使用する事から、除去したい樹脂以外の最終製品や装置・金型等への影響も考慮する必要があります。
 
花王では樹脂・ポリマーの制御技術を活かした樹脂剥離・溶解洗浄剤の開発を行ってきています。樹脂自体の化学的物性・架橋構造に対して最適な成分を使用する事により、強力な薬剤を使用せずとも洗浄力に優れる製品設計を可能としています。
「クリンスルー PA-900」はシリコーン・エポキシ樹脂等、主に接着剤等で使用される樹脂・ポリマーの除去に最適化されています。水系(準水系)で設計されていながら低分子量の樹脂のみならず、高分子量の樹脂に対しても膨潤・崩壊させる事によって効率よく洗浄が可能であり、溶剤系洗浄剤と比較しても同等以上の性能を発揮します。
より高架橋・高分子量の樹脂を除去したい場合には「クリンスルー PG-970」と併用することにより更に性能を強化可能です。この際に混合比率により除去対象の樹脂によって最適化が可能であり、低揮発性・非引火性・非劇物ながら非常に洗浄力の高い樹脂剥離・溶解洗浄剤として使用可能です。特に眼鏡用プラスチックレンズの製造工程におけるガラス金型に付着した硬化樹脂の除去に優れており、ガラス自体にもダメージがないような設計がなされています。
 
花王では溶解・分散・浸透等の洗浄に関わる基礎技術と樹脂自体の合成・制御、洗浄工程における精緻な解析技術を活かし、高洗浄力と高い環境適正を併せ持つ洗浄剤を設計する事でエレクトロニクス、精密加工産業の発展に貢献していきます。

製品紹介


環境対応型樹脂剥離・溶解洗浄剤
クリンスルー PA-900 / PG-970

低揮発性・非毒劇物・非引火性でありながら溶剤や強酸等と同等以上の洗浄力を持った樹脂剥離・溶解洗浄剤です。

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ラインナップ


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