汚染土壌を原位置で洗浄し、環境配慮・工期短縮が可能に
ルナウォッシュは、油で汚染された土壌専用の洗浄剤です。土壌を移動させることなく原位置で洗浄することができ、従来の工法(掘削除去、オンサイト型土壌洗浄プラントを用いた浄化、バイオレメディエーション)に比べ、必要最低限の資機材を用いて低コスト・短工期で洗浄を行うことができます。
背景・課題
土壌が汚染されているために売却や再開発ができず、長期間放置された土地「ブラウンフィールド」注1問題が世界中で発生しています。
日本においても、東京ドーム約5,988個分にあたる2.8万ヘクタールがブラウンフィールド化すると試算されており注2、対応が必要です。
花王は、ブラウンフィールドを引き起こしやすい土壌汚染の中でも、ガソリンスタンドや工場跡地で発生する油由来の汚染に着目しました。
注1 土壌汚染の存在あるいはその懸念から、土地が有する価値よりも著しく低い用途あるいは未利用となった土地。
注2 環境省では、「土壌汚染をめぐるブラウンフィールド対策手法検討調査会」を実施。

土壌浄化の代表的な方法として掘削除去、バイオレメディエーションなどが挙げられます。
掘削除去は、汚染土壌を掘削して新しく入れ替える工法ですが、掘削した土壌の輸送や汚染土壌の処理に伴うコストが課題です。
一方、近年、研究が盛んに行われている環境負荷の少ないバイオレメディエーションは、汚染物質の除去に必要な期間が長いという課題があります。
油を土から強力に引き剥がす 「ルナウォッシュ」
ルナウォッシュは、花王独自の油汚染土壌洗浄剤です。衣類の洗たくで培ってきた界面科学の知見とケミカル事業で培った土壌改質の技術を活かし、従来の工法で課題であった工期とコスト・環境負荷低減を同時に実現します。
SOLUTION

油汚れのない“キレイ”な⼟壌の再⽣を実現
界⾯活性剤を使⽤して洗浄するため、油臭、油膜、TPHを低減させることが可能です。
※ TPH(Total Petroleum Hydrocarbon):油汚染⼟壌や⽔中に含まれる油分の濃度を表す値
模擬的に作成した5m3の油汚染⼟(砂質⼟、軽油汚染濃度 TPH約5,000mg/kg)をコンテナに⼊れて⼟壌に⾒⽴て、⽔3m3と洗浄剤7.5kgを⼊れて重機で5分間攪拌し、30分静置した後に浮いてきた油と洗浄⽔を回収。この⼯程を2回繰り返し、再度⽔ですすぎを⾏った後に油汚染が除去できているか評価。
環境省が制定した油汚染対策ガイドラインを参考に、油臭評価は⼟壌50gを試験管に⼊れて30分放置した後ににおいを嗅いで0〜5(無臭〜強烈なにおい)の5段階で評価。
油膜評価は蒸留⽔を⼊れたシャーレに薬さじ1杯分(約5g)の⼟壌を静かに⼊れて、直後の液⾯を⽬視で観察。TPHはGC-FID法を⽤いて濃度を測定。なお、TPHは⽯油由来の炭化⽔素化合物の総称を表し、TPH濃度を測定することでどの程度⼟壌に油が含有されているかを確認。

汎⽤重機のみで洗浄可能
ルナウォッシュを⽤いた⼟壌洗浄は、主に地下⽔を利⽤して汎⽤の重機で⼟壌を攪拌・洗浄し、油を含んだ⽔を回収するのみのため、従来のオンサイト⼯法と異なり⼟壌洗浄プラントは不要です。設備設置が難しい中⼩規模の現場でも適⽤可能であり、設備の建設コストを削減します。

運搬・焼却処理が不要なため環境負荷低減が可能
現地で汚染土壌の洗浄を⾏うため、掘削⼟の輸送および焼却処理に伴うCO2排出量を削減。
環境負荷低減とコスト削減に貢献します。

スピーディーかつ安定した洗浄⼒で環境配慮と⼯期短縮を両⽴
環境に配慮した⼯法であるバイオレメディエーションは、分解するまでに約半年から1年程度かかり、温度などの条件にも影響を受けやすいことから⼯期が安定しないという課題があります。
ルナウォッシュは、投⼊直後から油の分離が始まるため、環境配慮と⼯期短縮の両⽴が可能です。
導入実績
油分を含む土壌の浄化工事でルナウォッシュを適用。その場で土壌を洗浄できるため、コストを抑えつつ、短期間で工事を実施できました。
場所:鹿児島県某所
施工:株式会社タツノ
工法: 原位置攪拌洗浄
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